No Smoke : 5th day

もう別に吸わなくてもいいのだが、喫煙をやめることで確かに喫煙を続行するよりもある程度の健康は保てるだろう。しかし僕に、僕の将来にその健康を保つほどの価値はあるだろうか。僕などはとっとと退場した方がいいのではないだろうか。むしろそれを自分自身は望んでいるのではないだろうか。そしてそのための手段こそが喫煙なのではないだろうか。
僕が僕自身が望む幸せな環境にあるのならば、その幸せを長く味わうために健康を害する喫煙なんてやめることだろう。けれども残念ながら僕は今そんな環境にない。もしかすると僕はずっと僕が惨めだと思う生き方しかできないのかも知れない。健康で長生きしたとしても、そこに幸せと思える環境がなければそれは惨めとしか思えない。
独り身が寂しいとか惨めだとかは全く絶対的な価値観ではなくて、個々が持つ極めて個人的な尺度に左右されるものに違いない。その中で僕がそれを惨めだと思っているということは、やはり僕自身はそうありたくないのだ。
だから喫煙する? 訳が解らない。こんなだから、幸せからは程遠いのでしょう。