明日は月曜日だよ

ワクワクする平日前日の休日の夜なんて今まであっただろうか。ない。限られた安息の時間がただ刻々と失われていくのを絶望にひしがれつつ何をするでも無しに過ごしているし、過ごしてきた。この午後九時台から、それは顕著になる。
そしてどうか、どうか今が日曜の夜だということは、何かの悪い間違いでありますように、と神様仏様に祈ることもなくカレンダーを見るが、今日の日付の色は日曜を示す赤色だという事実の前に、儚い希望は崩れ落ちていく以前にその土台すら存在しない空虚そのものだったということを認めてしまう。いや本当はまだ土曜なのだろうとカレンダーを何度も見る。けれども "19" は赤い。赤い。真っ赤。真っ赤! それはさながら血の色。血に塗れた今日の日付。明日からの五日間が平日という名の、血も噴き出さんばかりの恐ろしい阿鼻叫喚地獄であることを明示しているのだ。そうして毎週毎週、地獄絵図の中に放り込まれる。
カレンダーの色なんてどうでもいい。何が地獄なのだろうかと考えると、決まった時間に決まって目覚め決まった場所へ行き決まった面子と決まった仕事をして、などと決まった決まったオンパレードが嫌なのか。いやしかし以前の場所に比べたらやっぱりまだマシだ。人間関係が希薄な分、気は非常に楽だ。人間関係で辞めた前歴前々歴があって、それと比べれば今の場所の今の状況なんてとても地獄とは言えない。
毎日同じような仕事をしていて確かに面白いものではないが、つまらないから、で辞めたんじゃこれは損だ。次の場所を見付けたとしてもどうせ前と同じように人間関係で辞めるに決まっている。ではここに留まっていた方が良いということになる。
つまり、当面は現状をありがたく享受せよ、とナイフを現実から突き付けられている労働者なのだ僕は。