耐えられない

崇高な理念なんてもうどこにもない。そもそも最初からなかった。偏差値が高いからという理由だけで大学を選んでしまった。就職がしやすいからという理由だけで学部を選んでしまいこの免許を取ってしまった。二十年後なんて全く考えていなかった。十七歳の頃の僕は、先を全く見越していなかったのだ。どう生きていくか、どう食べていくかという人生設計なんて全くしなかったのだ。
半年前にもまだ気付いていなかった。ただ「ニートは嫌だから」という理由で就職しようとしただけで、そのずっと先なんて見ようとしていなかった。それに今さら気付いて、その時には今まで知ろうとしなかった将来への不安が詰まった箱からわっと出てくるように僕に襲い掛かってきた。そうして今のように鬱々とした気分になってしまっているわけだ。
ある意味では僕は半年前よりも前進しているのかも知れない。現実的に将来を考えるようになった。不安になっているのもそのせいなんだろう。
問題はその不安をどう解消するかだ。どうすれば僕は満足がいくのだろう? 分からない。