秋刀魚食べ狂ひ惑ひし我が身體

昨日早起きしたからという訳ではないけれど、具合が悪い。早起きは実際関係がない。いつも、具合が悪い。
具合の悪さにもいろいろあって、日内変動がある。食後が一番きつい。本当に満腹にならない程度の量を食べただけなのに、喉の奥から吐き気を感じて恐怖の中に追い込まれる。こういった場合には、いつもフリスクミンティアなどの清涼剤を舐めて気を紛らわせて凌いでいる。
午後のおやつどきの時間帯も危ない。急に全身の神経が敏感になり始めて、気持ちがそわそわと、あるいはいらいらとする。音や光に対しても必要以上に過敏になるから、好きな音楽でさえもろくに聴けない。読書もゲームもできない。意識があちこちに分散して、何事にも集中することもできなくなる。体は全く怠けているのに、脳の神経回路だけ異常に活発になって空回りしている感じだ。そのうち頭がパーンとおかしくなってしまうんじゃないかと思ってしまうが、抗不安薬を飲んでしばらくすると落ち着いている。
一方で寝る間際は楽だ。一日の中で、身体的にも精神的にも最も安定している。読書も進む。睡眠導入剤のお陰で意識がふにゃふにゃになり、気持ちが良くなるうちに自然と眠りにつく。いつもこの状態が続いていれば何処へでも何の不安もなく行けそうな気がするけれども、さすがに一日中睡眠導入剤を飲んでいるのは問題だからどうしようもない。
こんな状態だから、果たしてこのまま働き始めることができるのだろうかとも思う。働いている最中にそわそわし始めて仕事が手に付かなくなったらどうなるだろう? 仕事そっちのけでトイレに駆け込んだらどう思われるだろう? きっと僕は眉をひそめられたあげくに信頼を丸ごと失って、何も任せることのできない人間だと認められてしまうかも知れない。いずれ居場所がなくなって、また退職届を書かなければならない羽目になるかも知れない。そうなればまた元通りだ。馬鹿馬鹿しい。
一連のそれがなければ、僕は今すぐにでも求人に応募して面接を受けに行くのに。それがあるから、僕には自信がない。働くことに、自信が持てない。
けれどももしかすると、きっとこれも意識の深層部分ではただの言い訳なのかも知れない。働きたくないという我が儘への体のいい言い訳として、身体の方がぴったりと合わせるように具合が悪くなる。どこかで聞いた話だ。嫌なお稽古事の時間になると、子供が腹痛を催して泣き出す。それも仮病ではなくて、実際に痛くなって仕方がないらしい。けれどもその子がお稽古事を辞めると、腹痛はぴったりと全く現れなくなったという。
僕は子供?