夢を見ていたい

頭が痛むので何に対してもやる気が出ない。横になっていても何かをやろうという気にもならず、そのまま横になっている気にすらもならない。テレビを見ても楽しいと感じないし、ネット上のサイトを見て回っても楽しいとも思えないでいる。
もう何をやっても仕方がないから、早めに寝るしかない。現実よりも夢の中の方がずっと楽しく過ごせる。もしも夢の中で自分が夢の中にいることに気付けるのなら、どんなにか幸せになれることだろう。夢の中では何でも自分の思うとおりにできる。まさに夢の世界だ。
夢の中では客に怒鳴られることもない、嫌な鬱陶しい人間関係に苦しめられることもない、満員の通勤電車に息苦しさを覚えることもない、そもそも働くこともない。
長い長い人生の果てに、こんな夢の世界が待っていたらな、と思う。けれども夢というのは生きている中での睡眠活動の一環として見るものだから、おそらく人生の果ては空も飛べるような夢の世界なのではなくてただ真っ暗の世界なんだろう。
だとすれば、僕はガスボンベなんて使うよりも一日をほぼ眠りの中で過ごした方が幸せなのかも知れない。