働いたら勝ち

僕は気が狂ってしまったのではないかと思う。
僕は働きたくない働きたくないと言いながら本当に働いていない。けれどもネット上にあるブログや日記サイトを見ても、大多数の働きたくない人は働きたくない働きたくないと言いながらそれは口だけで、少し詳しく日記を見てみるときちんと働いている。実際に僕の知り合いは働きたくない働きたくないと言って仕事を辞めたけれども、その後は週の半分以上をバイトとして働きながら食い扶持を稼いでいるらしい。たぶんニートなんて超少数派だ。本当はニートなんていないんじゃないか、誰かの作り出した幻想なんじゃないか、とさえ思えてくる。
そうだとすれば、僕はどこかでおかしくなってしまったんだろう。どこかで僕の考えは世間一般の考えとは大幅にずれてしまったのだ。そう思うと心の底から焦りを感じて仕方がない。
みんな働きたくないと言うのは口だけで、一方では本当に働かないニートを馬鹿にしているに違いない。そうして見下して優越感を覚えながら働きたくないと無責任に垂れ流して、落伍しそうな者をニートの世界へと誘って本当の落伍者にしてしまう。働きたくない詐欺だ。
テレビで働いたら負けとか言っていたあの坊主も今頃はどうにかして働いているに決まってる。あんなのも結局は働き出すのだ。
みんな口にしている「働きたくない」というのはただの悪い冗談だったのか?