図書館の端末をめぐるいらだち

そう言えば今日昼間に図書館へ行って検索したい本があったので検索端末を使いたかったところに、一台しかない端末をご婦人がずっとずーーーーーーーーっと占有していて使えなかった。おいおい。すぐ空いてくれるかなと思ってふらふら用もないのに日本文学の本棚のア行からワ行まで眺めて回りながら空く瞬間を狙っていたものの、ご婦人は一体何をそんなに探し出そうとしているのか相変わらず熱心に端末と格闘し続けているままで終わらせて立ち去ってくれる気配が一向になかったからそのうちこっちが不審者扱いされるんじゃないかと思うと悲しくなってきたしお腹も空いてきたからとうとう諦めて本を借りるだけですごすごと帰った。
熱心なのは結構だが他に端末を使いたい人間からすれば迷惑千万極まりない。そういうのを防ぐには、端末の目の前に「みんなの図書館みんなの端末、あなたの使用は何分間」とでかでかと掲示でもした方がいい。そうすれば否が応でも目が行くからちょっとは考えて、周りに気を遣って早々に引いてくれたかも知れないだろう。
それとも、空けてもらうべくこちらから何か声を掛けるべきだったのだろうか。向こうは向こうで、長時間使っていてもどうせ誰も後にいないと思っていたからただ使い続けていただけなのかも知れない。それなら一つ声を掛けても問題ないだろう。けれども最初から他の誰のことなども考えずに使い続けてやる悪意の魂胆があったとすれば、声を掛ければその魂胆と表立っての衝突が起きてしまったかも知れない。悪意のある人間というものは悪意を指摘されれば逆上して、指摘した側を意地でも悪者に仕立て上げるに違いない。それに相手は異性のことだから、無理矢理痴漢にされて捕まった挙げ句に「無職が図書館で痴漢行為」なんて新聞に載ったら堪ったものじゃない。
そういう危険を考えると、声を掛けずに密かに待っていて正解だった。僕の積極性に欠ける性格が、僕を痴漢冤罪事件から救ったに違いない。


こう書いた後にもしやと思って検索したら、市内の図書館の蔵書検索はインターネットからでもできるらしい。初めから一台の検索端末のことで気に病む必要なんてなかったのだ。