意味が解らない「選挙に行こう」

選挙が近付くとよく選挙管理委員会が「選挙に行こう」「大事な一票を投票しよう」などと CM とかポスターで煽っている。あれがよく解らない。意味が解らない。「何で?」と問い掛けたい。何で選挙に行かなきゃいけないの? 何で大事な一票を無駄にしちゃいけないの? って。
例えば横浜市 横浜市選挙管理委員会 選挙へ行こうというサイトがある。選挙の仕組みや日本で普通選挙が始まった歴史などが解りやすく丁寧に説明されている良いサイトだ。ただし解りやすいのは、そういった仕組みや歴史などの「選挙の概念」のようなものだけだ。「何故選挙に行かなければならないのか」などという疑問が生じた人間にとっては何一つ感動を呼び起こされるものがなく、不満足な内容に過ぎない。
選挙に行き投票しなければどうなるのか、どのような不都合が起きるのか、といった選挙に行かないデメリットをことさらおどろおどろしく強調することも必要なのではないかと思う。一種の脅しだ。「選挙に行かなければ自分の意見が届きませんよ」。これじゃ何も通じない。別に意見なんかないんだからどうでもいい、くらいに思われてしまう。だから選挙管理委員会街宣車は、ゴジラのテーマ曲を BGM に流しながら「選挙に行かなければあなた方の未来は真っ暗です」「一票を無駄にすれば無間地獄に堕ち永遠に苦しみ続けることでしょう」と叫び回るくらいのことをやってもいい。
実際はそんなことはできないから、もっと具体的現実的なデメリットを広報することになるんだろうけれど、選挙に行かなければ未来が真っ暗になることはあながち間違ってはいない。若年層がみんな選挙に行かず、その結果高齢者の意見ばかりが反映される政治になったとすればどうなるだろう? 若い人がみんな「選挙なんてダッサいジジババの行くものでしょおマジしらけるキャハハ」なんて言っている間にそのダッサいジジババだけが顧みられる政治が行われて、気が付いたら自分たちがジジババになると年金制度が破綻していて受給額がゼロになった頃には涙鼻水垂らしながら保険料返せ詐欺政府と叫んでももうあの時の大事な一票は戻ってきませんでしたとかそうなる可能性もある。
それなら選挙行かなきゃってことで政党ごとに政策を調べようとすると、解りづらい。解ったとしても、ある分野の政策には賛成できてもまたある分野の政策には賛成しかねることもある。結局誰に、何処の政党に投票すればいいのかも分からない。その辺は適当でいいのかな、ってことになって、どうせただの一票だものやっぱり私なんか投票に行っても行かなくても同じだわと選挙日はディズニーランドに行ってミッキーマウスと抱き合っていた方が楽しい気持ちにもなる。
僕はディズニーランドに一緒に行く友達もいないからこれまで一度も欠かさずに投票に行っている。