僕は妄想する

下車してからの帰路を、「頭髪の薄い人達が次々と見違えるほどフサフサになるという大事件が世界中で勃発する」というミステリーを考えながら歩いていた。何でこんな話を思い付いたのか分からないが、発毛剤を作っている製薬会社の陰謀だったという結論に辿り着いた、という話だった。
この話をもっと練って作り上げて MSD の営業者に売り込んだら、プロペシアの宣伝広告に採用されて著作権料でお小遣いぼろ儲けできるんじゃないか? とか考えたが無理がありすぎる。
世界中の薄毛の人がフサフサになるなんて有り得ないのだから、あたかも絶対フサフサになりますよなんてことを宣伝したら薬事法に引っ掛かる。それ以前に、何の実績もない何処の馬の骨とも知れない僕のような人間のものなんて、いくら世界トップレベルの売り上げの会社であっても買い取りやしない。
夏の日差しがじっと照り付ける暑い中を歩くように、嫌なことだらけの仕事で地道に働いて稼ぐしか生きる方法はないのか。