嫌な現実

デパートに行ってエスカレーターに乗っていたら、年配の女性向けアパレルショップの中でおばさん店員二人が明らかに年下の女店員に頭を下げているのが見えた。何かおばさん方がミスでもして、謝っていたんだろう。しかし女店員の方はそっちを向こうとも目線を遣ることもせず、まるでおばさん方がそこに存在していないかのように他の作業を続けていた。おばさん店員二人は、お互いに顔を見合わせて困ったような表情をしていた。僕は悲しくなった。
おばさん二人がパートで、年下の女が正社員とか、そんな構図を考えた。立場の違いはなく、お互いに正社員だった、あるいはパートであって、単に職場において先輩か後輩かの違いがあったとしてもだ。ああいう態度はないよ。せめて怒って。いくら大きなミスだったとしても、それが何回続いていたとしても、呆れ果てていても、せめて一言くらい言ってあげて。
と思うが、人には人なりの心理や価値観があって、さらに特殊な事情がある場合もあるから、「無視はダメ」なんて一概には言えないんだろうな。「みんな仲良く」なんてのは、所詮理想でしかない。現実は悲しい。