内省

乗り物が苦手だからと言って乗り物を避けているようでは、永遠に公共機関を利用した通勤ができない。延いては永遠に就職不可能になる。就職に関わらず、日常の移動手段が失われる。これは困る。
よくよく考えれば、中学あたりから全校集会やら何たら式やら、人が大勢集まって静かにする場が少し苦手だった。授業については高校の頃までは特に何とも思わなかったが、試験の時間は別で、手に冷や汗をかいたり腹痛がしたり吐き気がしたりした。普通の授業であっても、大学に入ってから 80 人くらいがすし詰めになって講義室で受ける授業では、やはり吐き気がしたり動悸がしたりと気分が悪くなった。バスや電車が苦手なのも、この類のものと同じなのかも知れない。
これら全てについて共通するのが、容易に動けない空間で自分が他人に囲まれている状況であるという点。そして他人がより多いほど、より自分から遠い「他人」であるほど、具合が悪くなる点。
この状況に置かれた場合に自分が具合が悪くなるのは何故だろう、と考察する。特定の状況から一旦抜け出せば回復することがほとんどなので、身体的な問題ではなく、精神的な問題であることは間違いない。
当然ながら、同じ状況に置かれた時に誰もが僕と同じような状態に陥るわけじゃない。むしろ僕のようになる例がごく少数で、普通の人は何も起こらないことが全く当たり前のようにバスや電車を移動手段として利用している。ということは、普通の人が気にしない点について僕は異常なまでに気にしているということになる。
それでは一体、何について僕は具合を悪くするほどに気にしているか。
知るか!