一年間

ちょうど一年前の僕。

何が「徒歩十分の場所に一生勤める」だ。そんなのは無理だ。滅茶苦茶だ。よっぽどいい職場でもない限り一生勤められるわけがない。だいいち自分の求める全てのものが合致するような理想的な職場が家から徒歩十分の場所にあるなんて、宝くじ一等に当たる確率より低い。一年前の僕は、夢の先の夢を見ていたのだ。
そんな当時の僕には、今の僕の悲惨と言ってもいい状況は想像もできなかっただろうな。職場調査をしなかったのだから当然だ。その前に自分の職種に対する適性を考えすらしなかった。さすが何も考えずにただだらだらと毎日を過ごしていたニートだけあって、馬鹿だ。
一年前の自分を馬鹿だと言える時点で、僕は成長できたのだろうか? いや成長ではなさそうだ。回り道をして、やっとスタート地点が見えたというだけの気がする。
これからスタート地点に立てるだろうか? まだ大きな落とし穴が待っているような気さえする。