田河水泡のらくろ

のらくろは結構えげつない表現が多かった記憶がある。比較的可愛らしい絵柄なのにも関わらず、平気で首を銃剣でスパリと斬って生首がすっ転がったり、「決死隊です」と言って爆弾を抱えた兵士が鉄条網を破壊しに行って手足がぶっ飛んだりしていた。戦前戦中の表現はそういう点では自由だったというか、逆に戦時下だからこそそのような表現が許されていたのかも知れない。
おそらく今でもそういった作品は探せばあるのだろうけれど、同じ首が転がるにしてものらくろほど淡々とストーリーが進行することはないだろう。単に時代の違いか。