実家3

びっくりするほどユートピア、じゃなくて実家では本当に何もすることがない。大雑把に言えば食うか寝るかしかない。
実家に来なければならなかった用事は昨日のうちにもう済ませたから今日にでも帰ってもいいのだが、一週間ほど後の文化の日に地元で航空ショーがあるというのでそれを見てみたい気もする。一年前に実家の屋根の上に上って見た時は物凄い迫力だった。展示飛行というのだろうけれども、上から何台ものジェット機が落ちてきそうな勢いで降下してきたり、もう頭上すぐに感じられるほど近くの真上をとんでもない速さで駆け抜けたり、それらを冷や冷やしながら、けれども操縦技術に感心しながら見ていた。あれは機会があるならまた是非見てみたい。
そう思っているから、それまでの一週間という期間は実に微妙だ。食うか寝るかの一週間を過ごしてショーを待つか、一度モノで一杯のあの場所に帰って有意義な時間を過ごしてから再び実家に戻って来るか。ケチ臭いけれども、往復の移動に掛かる料金を考えると前者の方が経済的に優しい気もする。
であるなら、この何もない実家での生活における食うか寝るかを打破しなければならないんだろう。時間の過ごし方は何もモノに依存しなくたって有意義なものにできるはずだ。
けれども、考えただけで難しい。何もないこの場所で何ができるだろう? やはり食うか寝るかしかないんじゃないかとも思えてしまう。最近の僕の楽しみはよっぽどモノに依存しているんだろうな。