気のせい病

体調が優れないというか、すっきりとしない。めまいや吐き気、頭痛をいつも感じているし、顔がほてって熱く感じる。そこで熱があるんじゃないかと思って体温計で測っても、至って平熱。血圧が高いんじゃないかと思って血圧計で測っても、至って平常。
要するに、「気のせい」という訳だ。身体のどこにも悪いところなんてない。具合が悪いと思い込んでいるから実際に具合が悪くなる。小さな思い込みが螺旋状にぐるぐる回っているうちに円の半径がどんどん大きくなって、いずれ身体を巻き込んでしまう。

自分の中に、根本的な原因がどこにあるのかも解らない。器質的な病気なら、原因の異状部位を治療すれば症状は治まる。ところが心因性のものだとそうもいかない。異状部位は物理的に見えるものではないから、簡単に治療することができない。
医者は「具合の悪さを治すことを優先して考えず、やるべきこと、やりたいことをまず優先して行えばいい」と言っていた。その上で、抗不安薬などを処方されている。確かに薬は一時的には効く。けれどもそれは、「その時」だけだ。だから後者の、「やるべきこと」を考えて実行しなければならない。
それが難しい。どうしても具合の悪いのを先に考えてしまって、行動を起こすことを尻込みしてしまう。いきなり一日仕事だなんて厳しそうだから、簡単なことから始めてみよう。