全然爽やかじゃなかった朝

早起きに慣れていない人間が早起きをすると、具合が悪くなるものらしい。十時を回った頃にはもうクラクラとめまいがする上に寒気がしたり呼吸がし辛くなったり吐き気を催したりしてきて、再び布団を敷いて横になりいつもの眠りを取り戻す以外になかった。結局再び目覚めたのが四時間後の午後二時前。早起き効果、塵へと帰せり。
生活リズムを元に戻すには、気合いだけでは難しい。何しろその歪んだリズムが何ヶ月という間に身体中の隅々に染み込み渡っているから、身体の方もそれが当然のものであるかのように慣れてしまっているのだ。そこへ「正しい生活リズム」を突然寄越されると、身体が拒絶反応を起こして具合が悪くなるのも仕方がないのだろう。徐々に、徐々に慣れていくしかない。
やはり気合いだとか心の持ちようだとかいう精神論だけでは、どうしようもなくなった現実を一瞬にして変えることは難しいのだ。精神論を否定しているのではなくて、より現実に即した形で方向性を改めた上でこそ精神論は初めて効果が出る。大昔の誰かが「健全なる精神は健全なる身体に宿る」と言ったのはその点で正しいのだろう。