満員電車だけれども

もうドアにまで圧されるほどだったから、僕は車内で嘔吐して電車を車内清掃で遅延させる原因になってしまうんじゃないかと思うくらい混んでいたと感じたのが昨日までの電車だったが、今日ふと同じ列車で乗る車両を変えたらかなり空いていた。空いているとは言ってもさすがに新聞を広げて読めるほどではなくて、やはり人でぎっしりの満員電車には違いなかったけれども、ドア側にまで圧されるほどの圧迫感は全くない。普通に他人と押し合うこともなく立っていられた。感動した。
同時に、あの昨日まで乗っていた車両がどれだけ異常な混み方だったかを知った。後ろの人が何だか体ごとのし掛かるようにして押してくるのだ。嫌がらせかと思うくらい押してくるから、こちらも撥ね除けるように文字通り体を張って抗ったが、詮無きことこの上なし。そして僕はもうドアになった。そんな一日の始まりだから、一日中気が滅入ってしまったのだ。
そんな狂気にも満ちた混み方を三度も経験すると、今日の別の車両の普通の満員状況は全く苦にならなかった。おかげで気分が良い。もう今日乗った車両に乗り続けよう。