留年の思い出

留年しても学籍番号は変わらないのだ。番号に入学年度が含まれている、例えば 2012 年入学だとして 12X01234 となる場合、何年留年しようと変わらない。大学の「籍」の番号なのだから当然と言えば当然だが、留年して一つ下の入学年度生に混じることになると周りは 13X09876 となるが自分だけ 12 だ。こいつ留年したな、という事実は番号だけで一目瞭然となる。
そして留年先の学年では番号が若いものとして扱われる。つまり通常であれば五十音順だが、それより先に来ることになる。例えば留年先学年の真面目なアオキ君よりも、留年した自分の方が並びが前に来るのだ。そして卒業式、僕は学部のその学年の卒業証書を代表して受け取った。留年したのに! 留年したのに学部学年代表! これほど皮肉なことがあるだろうか。
ちなみに留年先の最も学籍番号の若い、つまり五十音順で先頭に来る人の自己紹介欄には、「小学校から高校まで学生番号が一番なのが自慢です!」と書かれていた。僕は勝ったのだ!
そんなのが誇りでは仕方がない。