• 五人の初老の男女たちが寺のような場所の広い部屋で法要のようなことをしていたが祭壇に置かれていた二つの巨大な白い花が突然動き始めたと思いきやその触手を伸ばし法要に参加していた五人を次から次へと捕らえ持ち上げそしてぱっくりと開いた自らの口へと投げ入れたのである! そう、その花は人をも喰らう食肉植物であったのだ! たまたま法要の間の前を通りすがりそのおぞましい光景を目にした私は急いで上長へ報告を行った、しかし時既に遅し、二人の上役を引っ張るようにして部屋に戻るとその場は法要など行われていなかったかのように静まりかえっていたのだ、ただ、二つの花の総苞の中で何かが煮えたぎるような音――それは紛れもなく、先程までこの法要の場にいた五人がこの食肉花によってまさに消化されゆく音、だけを除いて。ああ恐ろしい! 法要に参加した人間が法要の対象になってしまうなんてでござるの巻