見える限界

同族経営の場所では、所詮僕みたいな小物の外様が何を言ったところで根本的には何も変わらんのだよ。個人的な繋がりがあって、しかもそれが非常に強いものでもない限り。
でなければ、何か経営側に差し障りがあるような言動をすれば、「君の代わりはいくらでもいるんだよ」。そう言われるに違いない。そしてその次の日からは、その前の日まで僕が立っていたはずの場所に知らない人が居たりする。その可能性もゼロではない。
ましてや僕は急場しのぎで雇われたような身だ。下手なことをすれば即座に馘。何もしない方が得なのかも知れない。