三十日の職歴

仕方ないだろう。本当に。年に一度の試験で資格が取れなかったから本来できるはずの仕事は何にもできず、辞めるしかなかったんだから。それで「短期間に辞める人」と思われたらちょっと心外だ。
あの「落ちた」と分かってからの日々は地獄としか形容のしようがなかった。一時間半掛けて電車に乗って職場まで行って、九時間どうしようもない雑用をして、また一時間半掛けて電車に乗って帰ってくる。もう本当につまらなくてつまらなくてどうしようもなかった。何でこの場にいるのかさえも分からなかった。もう惨めだった。
それで今に至るまで残ったのがこのたった三十日の職歴だ。今に至るまでどころか、これからも付きまとい続ける。履歴書の職歴欄の入社・退社と二欄を無駄に埋める。もう本当に書きたくない。
最初の時点で試験に受からなかったのがそもそもの問題だと言われれば確かにそうだから、これも自分のせいか。救いようがない。